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エンジニア入門シリーズ

―Pythonで実践―
基礎からの物理学とディープラーニング入門

著: 福嶋 健二 ・桂 法称 (東京大学)
定価: 3,960円(本体3,600円+税)
判型: A5
ページ数: 306ページ
ISBN: 978-4-910558-07-3
発売日: 2022/11/24
管理No: 112
書籍内のコードおよびアップデート等はこちらにございます。
正誤表
2023/5/22更新



【目次】

第1章 緒言:本書のあつかう内容

  1. 1.1 機械学習の概念
  2. 1.2 ディープラーニング
  3. 1.3 物理学への誘い

第2章 概要編:「学習」とは何だろうか?

  1. 2.1 教師あり学習
  2. 2.2 強化学習
  3. 2.3 教師なし学習
  4. 2.4 転移学習

第3章 準備編:これだけは知っておきたい物理学

  1. 3.1 速習:量子力学ミニマム
    1. 3.1.1 確率振幅とSchrödinger方程式
    2. 3.1.2 ブラケット記法
    3. 3.1.3 変分原理
    4. 3.1.4 スピン
  2. 3.2 速習:グラフ理論ミニマム
    1. 3.2.1 グラフ理論の用語
    2. 3.2.2 グラフと行列
    3. 3.2.3 接続行列の直感的理解
  3. 3.3 速習:統計力学ミニマム
    1. 3.3.1 Ising模型
    2. 3.3.2 対称性の自発的な破れと相転移

第4章 入門編:基本的な構成法

  1. 4.1 ニューラルネットワークの基礎
    1. 4.1.1 ニューロンと活性化関数
    2. 4.1.2 普遍性定理
  2. 4.2 学習モデル
    1. 4.2.1 Boltzmannマシン(Boltzmann Machine)
    2. 4.2.2 順伝播型ニューラルネットワーク(Feedforward NN)
    3. 4.2.3 回帰型ニューラルネットワーク(Recurrent NN)
    4. 4.2.4 再帰型ニューラルネットワーク(Recursive NN)
    5. 4.2.5 畳み込みニューラルネットワーク(Convolutional NN)
    6. 4.2.6 グラフニューラルネットワーク(Graph NN)
  3. 4.3 最適化
    1. 4.3.1 損失関数
    2. 4.3.2 最適化アルゴリズム
    3. 4.3.3 バックプロパゲーション

第5章 実践編:簡単な具体例に適用してみよう

  1. 5.1 関数形を仮定しない非線型回帰
  2. 5.2 波動関数の変分計算
  3. 5.3 波動関数の時間発展:RNNの応用
  4. 5.4 量子Heisenberg模型の基底状態
    1. 5.4.1 2スピンの問題
    2. 5.4.2 2スピン系の基底状態のBoltzmannマシンによる表現
    3. 5.4.3 4スピン系の基底状態
    4. 5.4.4 より大きな系の基底状態

第6章 応用編:現代物理学への挑戦

  1. 6.1 Ising模型への応用
    1. 6.1.1 2次元Ising模型の相転移の判定
    2. 6.1.2 Ising模型の制限Boltzmannマシンによる表現
  2. 6.2 トポロジカル絶縁体・超伝導体への応用
    1. 6.2.1 強束縛模型
    2. 6.2.2 トポロジカル物質
    3. 6.2.3 トポロジカル量子相転移の判定

第7章 関連する周辺の話題

  1. 7.1 Gauss過程による回帰分析
  2. 7.2 位相的データ解析入門

【参考文献】

  • 本書であつかう以外の幅広い物理学への応用に関しては:『物理学者, 機械学習を使う – 機械学習・深層学習の物理学への応用』 編・橋本幸士(朝倉書店) の紹介記事を参照して下さい.
  • 本書とは逆に機械学習の解説の後で物理学への応用を紹介した入門書として:『ディープラーニングと物理学 原理がわかる、応用ができる』 著・田中章詞/ 富谷昭夫/橋本幸士(講談社) を挙げておきます.
  • よく読まれている定番の教科書としては:『機械学習スタートアップシリーズ これならわかる深層学習入門』 著・瀧雅人(講談社) を挙げておきます.この本の筆者は素粒子物理学の研究をされていた方ですが,物理学の話はあまり出てきません.プログラムの実演やイラストより数式を使ってきちんと理解したい人向きです.
  • 二重スリット実験の歴史や評価については Physics World の記事が非常に詳しくお勧めです.以下の URL から読むことができます.
    https://physicsworld.com/a/ the-double-slit-experiment/
  • 二重スリットの思考実験をFeynman は有名なレクチャーの中で“ the heart of quantum mechanics” と形容しました.Feynman の思考をそのまま辿って勉強するには:『ファインマン物理学 V 量子力学』 著・R. Feynman,訳・砂川重信(岩波書店) をお勧めします.英語に抵抗がなければ https://www.feynmanlectures.caltech.edu/ で読むこともできます.
  • 外村彰の二重スリット実験の動画は日立のHP にリンクがあります.YouTube で直接視聴するにはhttps://youtu.be/j3Vk4Tu_uMo が2022年6月現在における公式アカウントの動画です.
  • 量子力学の最近の読み易い入門書は:『量子力学 I (パリティ物理教科書シリーズ)』 著・江藤幹雄(丸善出版) が初学者向けです.
  • 量子力学の定評ある教科書として長く読まれているのは:『量子力学 I・II』 著・川合光/猪木慶治(講談社).
  • 本書で割愛した証明など変分法について詳しいのは:『量子力学』(基幹講座物理学) 著・国広 悌二(東京図書).
  • 本書で用いたグラフ理論の記法は基本的に次の教科書に倣っています:『グラフ理論序説』 著・仁平政一/西尾義典(プレアデス出版).
  • グラフ理論の応用とホモロジー・コホモロジーについては,現在は絶版で入手困難かも知れないですが本書の説明は以下の本も参考にしています:『平面図形の位相幾何(数学レクチャーノート入門編 9)』著・小沢哲也 ( 培風館).
  • 統計力学やIsing 模型の入門書は:『統計力学 I・II』 著・田崎晴明(培風館).
  • 相転移について本格的に学ぶには:『相転移・臨界現象とくりこみ群』著・高橋和孝/西森秀稔(丸善出版).
  • 形式ニューロンに関する元論文は:W.S. McCulloch, W. Pitts, “A logical calculus of the ideas immanent in nervous activity”, Bulletin of Mathematical Biophysics 5, 115– 133 (1943). ただし定理を証明していくスタイルの数学論文なので,数学的基礎付けに興味のある人向けです.
  • 普遍性定理の元論文は:G. Cybenko“, Approximation by superpositions of a sigmoidal function”, Mathematics of Control, Signals, and Systems 2, 303-314 (1989). 大学レベルの線型代数と解析学の知識があれば読みこなせるので意欲的な人には原著論文の読破をお勧めします.
  • 順伝播型ニューラルネットワークの浅いものと深いものの隠れニューロン数については:S. Liang, R. Srikant“, Why Deep Neural Networks for Function Approximation?”, arXiv:1610.04161 [cs.LG] (published as a conference paper at ICLR 2017).
  • 本書では機械学習について基礎的な事項しか説明していません。より広範な知識を系統的に学びたい人は,いわゆる「 青本」 と呼ばれている次の本を参照して下さい:『深層学習』 著・岡谷貴之(講談社).
  • 本書では説明を割愛したRNN のLSTM なども解説した教科書としては:『機械学習スタートアップシリーズ これならわかる深層学習入門』 著・瀧雅人(講談社) を挙げておきます.
  • グラフニューラルネットワークの最初の元論文は:M. Gori, G. Monfardini, F. Scarselli, “A new model for learning in graph domains”, Proceedings. 2005 IEEE International Joint Conference on Neural Networks, 2005., 2005, pp. 729-734 vol. 2. この段階では今日で言う空間法で定式化されている.スペクトル法については:J. Bruna, W. Zaremba, A. Szlam, Y. LeCun,“Spectral Networks and Locally Connected Networks on Graphs”, arXiv:1312.6203 [cs.LG]. 最初の空間法のレヴューもすっきりして読み易いのでお勧めです.
  • Adam を提唱した元論文は:D.P. Kingma, J.L. Ba“, Adam: A Method for Stochastic Optimization”, arXiv:1412.6980 [cs.LG] (published as a conferencepaper at ICLR 2015). 変数の記法が本書とは少し違うので注意.
  • この節から以降で頻繁に登場するPython や Google Colab の使い方については:『これならわかる機械学習入門』 著・富谷昭夫(講談社) にプログラミング未経験者向けの解説があります.
  • 本書で紹介した関数フィットの問題は次の論文で詳しく議論されています:Y. Fujimoto, K. Fukushima, K. Murase,“ Extensive Studies of the Neutron Star Equation of State from the Deep Learning Inference with the Observational Data Augmentation”, Journal of High Energy Physics 2021, 273 (2021), arXiv:2101.08156 [nucl-th].
  • PINN について比較的分かりやすいレヴューは:G.E. Karniadakis, I.G. Kevrekidis, L. Lu, P. Perdikaris, S. Wang, L. Yang, “Physics-informed machine learning”, Nature Reviews Physics 3, 422– 440 (2021).
  • 量子スピン系の基礎については:『岩波講座 物理の世界 量子スピン系 – 不確定性原理と秩序』 著・宮下 精二(岩波書店).
  • 量子スピン系についてもっと本格的に学びたい人には:Hal Tasaki, “Physics and Mathematics of Quantum Many-Body Systems” (Springer) がお勧めです.
  • NetKet のホームページの URL は:https://www.netket.org/.ホームページにあるチュートリアルが充実しています.解説論文は:G. Carleo et al.“, NetKet: A machine learning toolkit for many-body quantum systems”, SoftwareX 10, 100311 (2019), arXiv:1904.00031 [quant-ph].
  • Carrasquilla と Melko による論文:“Machine learning phases of matter”, Nature Physics 13, 431 (2017).
  • カゴメ格子上の Ising 模型の相転移温度を,Y−Δ 変換を用いて求めた庄司一郎の元論文は:I. Syôzi,“ Statistics of Kagomé Lattice”, Prog. Theor. Phys. 6, 306 (1951).
  • 一般化 Ising 模型に対するY−Δ 変換や,そのモンテカルロ・シミュレーションへの応用については:N. Yoshioka, Y. Akagi, H. Katsura, “Transforming generalized Ising models into Boltzmann machines”, Phys. Rev. E 99, 032113 (2019), arXiv:1812.05269 [cond-mat].
  • ディープラーニングを用いた乱れのあるトポロジカル超伝導体の模型の相分類についての論文は:N. Yoshioka, Y. Akagi, H. Katsura, “Learning Disordered Topological Phases by Statistical Recovery of Symmetry”, Phys. Rev. B 97, 205110 (2018), arXiv:1709.05790 [cond-mat].
  • 固体物性の基礎については:『固体電子の量子論』著・浅野建一(東京大学出版会),『スピンと軌道の電子論』 著・楠瀬博明(講談社),などが最近の成書としてお勧めです.
  • トポロジカル絶縁体の入門としては:『スピン流とトポロジカル絶縁体』著・齊藤英治/村上修一(共立出版) がお勧めです.
  • 6.2.2 節で紹介した Chern 絶縁体のモデルについては:X-L. Qi, T. L. Hughes, S-C. Zhang, Phys. Rev. B 78, 195424 (2008), arXiv:0802.3537 [cond-mat].
  • 乱れのある電子系における量子相転移へのディープラーニングの応用については, 大槻東巳らによる総説があります: T. Ohtsuki, T. Mano“, Drawing Phase Diagrams of Random Quantum Systems by Deep Learning the Wave Functions”, J. Phys. Soc. Jpn. 89, 022001 (2020), arXiv:1909.09821 [cond-mat].
  • トポロジカル超伝導体も含めて本格的に学ぶには:『トポロジカル絶縁体・超伝導体』 著・野村健太郎(丸善出版) がお勧めです.
  • Gauss 過程について最も読み易い解説書は英語ですが:C.E. Rasmussen and C.K.I. Williams, “Gaussian Processes for Machine Learning”, (MIT Press, 2006).これはGPML と略称で呼ばれている古典文献です.オンラインでも読むことができるのが非常に便利です.http://www.gaussianprocess.org/gpml/
  • 日本語で読める定評あるGauss 過程の教科書としては:『Gauss 過程と機械学習』著・持橋大地/大羽成征 ( 講談社).
  • Gauss 過程とディープラーニングの関係については,最近の文献からこれまでの仕事も遡ることができます.最近の Google Brain による数値実験の文献としては:J. Lee, Y. Bahri, R. Novak, S.S. Schoenholz, J. Pennington, J. Sohl-Dickstein, “Deep Neural Networks as Gaussian Processes”, arXiv:1711.00165 [stat.ML] (published as a conference paper at ICLR 2018).
  • 代数的トポロジーについては数多くの良い教科書があります.英語ですが https://pi.math.cornell.edu/~hatcher/ から読むことのできる『Algebraic Topology』はコンパクトにまとまった教科書で,理系の大学院生向けにお勧めです.
  • パーシステントホモロジーに関する日本語の教科書は:『タンパク質構造とトポロジー: パーシステントホモロジー群入門』著・平岡裕章(共立出版 2013).

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